瀕死の僕に手を差し伸べてくれたのは しゃちほこ ~佐渡トラ 回想その8~

2015/9/6に開催された佐渡国際トライアスロン(Aタイプ)を完走してきました。

日記風に、SADOな日々を振り返ります。

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佐渡シリーズの投稿はコチラ↓

 佐渡トライアスロンに向けての準備

 レースの概要 ~佐渡トライアスロン2015 完走記 その1~

 宿と移動手段の手配について ~佐渡トライアスロン2015 完走記 その2~

 補給食の準備 ~佐渡トライアスロン2015 完走記 その3~

 佐渡入りしてからレース当日までの流れ ~佐渡トライアスロン2015 完走記 その4~

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ここからは回想記。情報提供ではなくただの日記です。↓

 始まりはいつもトラブル? ~佐渡トラ 回想その1~

 戦いは、既に   佐渡トラ 回想その2

 背後からのダークフォース  佐渡トラ 回想その3

 寿司とストレッチ ~佐渡トラ 回想その4~

 レース前日のノドグロローディング~佐渡トラ 回想その5~

 スイム、スタート ~佐渡トラ 回想その6~

 スイムってかバトル ~佐渡トラ 回想その7~

 瀕死の僕に手を差し伸べてくれたのは しゃちほこ ~佐渡トラ 回想その8~

 シャチホコ・プレイ~佐渡トラ 回想その9~

 再会 ~佐渡トラ 回想その10~

 そして宇宙人になる ~佐渡トラ 回想その11~

 エピローグ ~佐渡トラ 回想その12~

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今回の佐渡トライアスロンにはトライアスロンチーム「ポセイ丼」の面々で参加。

参加メンバーは下記の通り。

元帥:トライアスロンチーム、ポセイ丼の主宰。

見た目はサモア系男子でトライアスリート兼税理士だけど数字に弱い。

いつもおいしそうなパンを持ち歩いている(いつか一口貰いたい)。

仙人:ポセイ丼一期生。解脱系男子。

ヒゲを蓄えたワイルドな風貌にもかかわらず、

異常に物腰柔らかで礼儀正しい。

今回の遠征では、ゴール時にワキ毛をどう見せるか悩んでいた。

羅王:ポセイ丼一期生。ポセイドンのCFO(Cheif Food Officer)を務める。

彼のCFOとしての責任感は並べてならず、

遠征先などいかなる場所でも、ポセイ丼メンバーに素晴らしい食事の場を与えてくれる。

銀河英雄伝説を熟読して兵站の重要さを重々承知していることによる(と思われる)。

ボク:ポセイ丼二期生。キャラの濃いポセイ丼メンバーの中で唯一の普通キャラ。

ここまでのあらすじ

練習不足のため半分溺れるような形になりつつ、なんとかスイム3.8kmを泳ぎ切る。

次は3種目の中で最も時間がかかる、バイクパートだ。

第八章:「絶対完走しよう!」のその声で

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スイムの記録は1週目(1.9km)が45分48秒、2周目の終わりで1時間44分06秒だから

2周目がかなり遅かったことになる。。

持久力の強化が問題だ。

さて、スイムで3.8km泳いで疲労困憊、体も頭もお疲れ気味で、

「バイクに乗らなきゃいけない」

ということはわかってても

  • 足を拭いて
  • 靴下履いて
  • シューズ履いて、
  • バイクグローブつけて
  • あ、その前に日焼け止め塗って
  • アームカバーはつけてたっけ?
  • ヘルメットもうかぶっていいんだっけ・・・?

と思考が混濁してしまう。

そこで、今回準備したのは「トランジション手引書」。

A4の紙に

①ウェットスーツを脱ぐ

②補給食のゼリーを1つ取る

③タオルで足を拭く

という用に手順を書いておいたのだ。

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これさえあれば、トランジションで慌てずにすむ。

レース中は結構ちょっとしたことで「あれ?」と頭が真っ白になってしまうので

「いかに頭を使わずに済むか」を工夫することも大切だと個人的には考えている。

あと重要なのが、3つついているウェアの背中ポケットのどこに何をいれるか。

例えば、今回は

・カフェイン無しのジェルを左ポケットに

・ジップロックに入れた携帯を真ん中ポケットに

・カフェイン有りのジェルと塩熱サプリを右ポケットに

入れることにした。

最初にある程度決めておかないと、いざポケットから必要なものを取り出すときに

あれ?どこに入れたっけ?となり全てのポケットをまさぐる羽目になってしまう。

自転車をこぎながら/走りながら背中に手を回し続けるのは時間のロスだ。

ということで、どのポッケに何をいれるか、まで今回は大まかに決めていた。

トランジションを終え、バイクに乗り、快調に飛ばす。

ランが苦手なボクとしては、できるだけバイクで貯金をしておきたい。

ガンガン前の選手を抜いていく。

途中、30kmあたりのトイレで、横たわっているSPECIALIZEDの赤いバイクを発見。

元帥のバイクだろうか?本人の姿は見えない。

このあたりから「ちょっとサドル高すぎるな(太腿の疲労が激しい)」と思いつつ、そのまま突き進む。

そして今回のコースの中で2つある大きめの坂の一つ、Z坂に到着。

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ちょっと前にはポセイ丼ウェアが見える。羅王だ!

このユニフォームデザインは視認性が高く、遠くからでもすぐにチームメンバ見つけることができるので

大変ありがたい。

Z坂を抜ける前に羅王においつく!と目標を定め、つづら折りの途中で追いつく。

追い抜く際に、バラモンキングのときにかけてもらった「HEY!MEN!」という声を

今回はこちらからかけ返してみたが「お、おぅ」と返事が冴えない。

どこか調子が悪いのか。

様子がヘンだな、と思いつつそのまま坂を駆け上っていく。

Z坂を抜けた後、急な下り坂が続く。

ここで事件が起こった。

快調に飛ばして下り坂も攻めていたところ、まさにカーブの箇所で対向車が表れたのだ。

佐渡トライアスロンでは厳密な交通規制を布いておらず、

「ノーカーデイ(なるべくマイカー使うの控えてねと住民に呼びかける)」

にとどまっている。

バイクスタートからここまで車とすれ違ってこなかったので、

「あ、車いないんじゃん!」と思い込んで攻めすぎていた。

まさかの下りカーブでの車との初対面。

焦ってブレーキをかけるも、タイヤがロックして滑ってしまう。

一度ブレーキを離してロックを解除するも、今度はスピードが殺せず車に突っ込んでしまう。

足はビンディングでペダルに固定されているので、足を着くこともできない。

仕方なく、再度ブレーキをかけ、車輪ロックしたまま右に転び、ガードレールの畳に突っ込んだ

(車には接触せずにすんだ。運転手さん、ビックリさせてごめんなさい)。

まさか自分が畳のお世話になるとは。。。精神的なダメージが大きい。

自転車と一緒に横になった状態から、ゆっくりとビンディングを外し立上る。

フロントボトルに入れていたドリンクは9割流れ落ち、

バイクバッグに入れていた補給食も中身が吹っ飛んでいた。

取りあえず拾える分だけ拾ってバッグに入れ、

フロントディレーラーに絡まったチェーンをがんばってほどく。

バイクはなんとか走れそうだ。

自分の体も、右手と右ひざの擦り傷と、右尻を強く打ったくらい。大きなケガはない。

ケガはひどくないのだが、落車のショックが大きく中々走りだす気にならない。

ここで後ろから「だいじょうぶーーー!?」と叫ぶ声が聞こえる。

羅王だ。

とっさに「大丈夫です!」と返し、その勢いで自転車に跨り、ゆっくり再スタートする。

ペダルを踏むたびに、打撲したお尻に鈍い痛みが走る。

そこから暫くしょんぼりマインド。時速20kmくらいでのんびり進み、後続の選手にガンガン抜かれつつ、

「あー、ケツいてぇ、擦り傷もヒリヒリするし、、」

「フロントもリアもディレーラーずれちゃったなぁ、変速がぎこちないや」

「これで最後にフルマラソン走り切れるのかなー?無理っぽいなぁ」

「いっそのことリタイヤしちゃおうかな。落車なら良い理由になるだろう。。」

などと考えていた。

ここで一度バイクを降り、サドルの高さを1cmほど低くする。

打撲したお尻が痛すぎて、今までのポジションだと負担が大きすぎた。

再度バイクに跨ると、サドル調整のお蔭で幾分楽に漕ぐことができた。

とりあえず漕ぎ続けることにする。

暫くサイクリングペースでのんびり進んでいると、羅王が立ち止まっている。

バイクだけで今日3度目の出会いだ。

どうやら、腰を痛めたらしく、まともにバイクに乗る姿勢を保てないとのこと。

苦痛に顔を歪ませている。

ボクには、前回のバラモンキングで困っていた羅王を華麗にスルーしてしまったという

(「先に行ってくれメッセージ」だと勘違いしたんだけど、結果的に)負い目があった。

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<羅王のブログから引用>

10分ほど立ち往生していた頃だろうか。メカニックはまだ来ない。

ようやく仲間の姿が見えたと思ったら、みよっしーが駆け抜けていった。

クールなみよっしーは、僕に一瞥をくれただけで走り去っていった。

そうだ、みよっしー、自分の勝負に集中するんだ。

なんといってもまだトライアスロン2戦目。

他に配慮する余裕などあろうはずがない。

がんばれみよっしー。

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今回こそバラモンの借りを返すとき!ということで

「ロキソ、ありますよ!(どやぁ」とロキソニンを差し出した。

6錠あった内、自分用に2錠を残し、4錠を羅王に渡す。

羅王は「さっき別の痛み止め(バファリン?)飲んだんだけど、全然効かないんだよね。

連続で飲んじゃっていいのかな?」と言いながらロキソニンを飲みこむ。

薬のちゃんぽんだ。絶対体によくない。

そして、その後

「あぁー!絶対完走しよう!タイムとかどうでもいいから!」

と力強く叫んだ。

この言葉を聞いてボクは衝撃を受け、自分を恥じた。

自分は「どのタイミングでリタイヤしようか」とばかり考えていたのに、

羅王はシャブ漬けになりながらも、完走を諦めていない。

ボクよりも体の状態は悪そうなのに、彼は心が折れていない!

ボクは気合のビンタを食らった気持ちになり

「そっすね、、完走しましょう!」

「先に行ってます!次会うときはゴールで!」

と返す。

ここはバイクは約80km地点。

のこり110kmとフルマラソンを制覇し、完走しちゃるばい!

そう心に決め、バイクに再びまたがる。

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。。。その5分後にシャチホコスタイルの羅王に抜かれた。

次回につづけ

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 佐渡トライアスロンに向けての準備

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 佐渡入りしてからレース当日までの流れ ~佐渡トライアスロン2015 完走記 その4~

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 瀕死の僕に手を差し伸べてくれたのは しゃちほこ ~佐渡トラ 回想その8~

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