【0065】標準化競争

6/30の日経新聞朝刊で、日本がISOの4輪車電子装置部門の幹事国になることを知りました。
参考WEBページはこちら↓↓

ISOの4輪車電子・電装領域、日本が初の幹事国に

車の規格作り、存在感発揮へ 日本、ISO幹事国に 電子部品技術で

テレビをつければ「ぶつからない車」がCMで流れていたり、
Google等が車の自動操縦に着手していたり、と
「運転の自動化」がブームの様になっています。

その運転自動化のために必要なものがECU(Electric Control Unit)です。
文字通り、車両の電子制御を行うユニットをさしており、
例えば、
ミリ波センサーで前の車との距離を監視し、危険な距離まで近づけばアラームを鳴らしブレーキを自動でかける
という処理を行います。

・現在の自分の車速
・先行車の車速
・先行車との距離
・道路状況(カーブなのか、直進なのか)

といった様々な入力から、現在の状況の危険度を算出し、最終的にはブレーキなどの操作を行います。

そのECU、現在の自動車には数十から百数個が搭載されています。高級車では200近い数のECUが搭載されるという話も聞きます。まさに電子制御の塊です。

さて、ECUを作る側も、ただ闇雲に開発を行うのでなく、
自動車業界の規格・標準に沿った形で開発を行います。

近年ではAUTOSARやISO26262の規格が
業界に大きな影響を与えています。

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AUTOSARは、簡単に言えばOSの共通化です。

比較的最近まで、ECUのサプライヤー(ECU開発・製造メーカ)は
独自の開発ルールに沿って開発を行っていました。
各社のゴールは、顧客要求を満たす、ということで同じですが、
それを実現するためのアプローチは各社に依存するという状況です。

携帯で表現すればガラケーが近いでしょうか。
 ・通話
 ・メール
 ・カメラ
と言った機能(顧客要求)が使えれば、ハードウェアの構成や、ソフトウェアの構成は各社独自ルール、という状態です。
自社が作った通話用のソフトウェアは、他社ではそのまま使えない、という状態ですね。

そこから、スマホブームとなりiPhone(iOS)とAndroidの2極化が進みました。
こうなると、ハードウェアの上にiOSもしくはAndroidというOSが搭載されることになるため
その上に乗っかるアプリ部分は、他社の同じOSの端末でも動作できる、ということになります。

自動車業界でも同じことが起こっており、OSを共通化することで
各社のハードウェアの差分を隠蔽する流れが進んでいます。

各社が競争すべきポイント、差異化を図るべきポイントは、ハードウェアやOSといった
土台部分ではなく、アプリケーションということになります。

基本的な要素へのアクセスは標準化され、その上にどうやって付加価値を盛るかという部分に
焦点を当てなければなりません。

携帯で言えば、「電話をかける」「カメラを起動して撮影する」などと言った基本的操作は各社で共通としておいて、
その上のアプリで「老人のために受話音量を大きくする」とか「ものすごい速さで連射できる」などといったオリジナリティを発揮しなければなりません。

</脱線>

上記で自動車業界にも開発の規格がある、という話をしましたが、
今現在、規格標準化のイニシアチブを持っているのはドイツをはじめとする欧州です。

BMW、ベンツなどの有名カーメーカーがあるとともに、ボッシュ(BOSCH)という超巨大なECUサプライヤーが存在しており、自動車の開発に於いても大きな影響力を持っています。
新しいこと(技術研究など)は欧州が進んでいるイメージがあります。

そんな中、冒頭のニュース。

今回日本が幹事となるコミュニティーは、発足以来67年間ドイツが幹事を務めていました。
そこに日本が切り込む。これはかなり大きなニュースです。

もちろん、幹事となることが独裁的な権限を持つことになるわけではありませんが
発言の影響度や、情報の収集力の面で大きなメリットがあるはずです。
少しずつイニシアチブを取っていければ、日本の自動車業界の先も明るいのではないでしょうか。

ここまで長々と書きましたが
自動車業界でも、主導権を握る側、と握られる側、で大きな力の差が生まれています。

私たちが日々生きる中でも、可能であれば主導権を握る側、
別の言葉で言えば「自分でコントロールできる」環境の中に身を置いていければ
ストレスの無い素直な人生を歩むことができると思います。

そのためには主導権を握る側に立候補(アピール)しなければなりません。
何か情報発信する、存在をアピールする、ということを地道に続けていくことが
重要です。

知られないということは、最初から存在していないのと同じということです。
存在していないものたちは、他者が作ったシステムの上を走るしかありません。

そこに生きがいを見いだせない場合は、
周囲に存在を知らしめ、
周囲を巻き添えにしながら、
自分のシステムを構築していくしか無いでしょう。

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今日の学び

「知られなければ、無いことと同じである」

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