【210】自分力を育てる (1)

表題のタイトルの講演を聞いてきた。
講演者は奥村幸治 氏。

奥村氏のプロフィールはこちら( http://baseballspirits.com/profile )に詳しいので、
そこから一部引用。

----
イチロー選手が210安打を達成したときに、イチローの専属打撃投手を務めていたことから”イチローの恋人”としてマスコミに紹介され、それ以来、コメントを依頼されてのTV出演多数。
中学硬式野球チーム(宝塚ボーイズ)を結成し、監督を務める。
一方、講師として各地方で講演活動をする。宝塚ボーイズの教え子に楽天イーグルス田中将大がいる。
2008年NPO法人ベースボールスピリッツを設立。
野球を通じて子ども達の健全な心身の成長を図るとともに幅広い世代交流、地域交流に努める。カル・リプケン小学生世界大会の日本代表、星野ジャパンの監督としてその任を勤める。
---

今回の講演では、セルフマネジメントやチームマネジメントに関する話がなされ、
野球という枠だけに囚われない不変的な要素があると感じた。

自分自身への備忘の意味も込めて、下記にまとめようと思う。

■ 7球団を受けて最後に打撃投手に

奥村氏はプロ野球選手になるという夢を持ち、7つもの球団の入団テストを受けている。
結果は、(ご自身でもおっしゃっていたが)身長・体格に恵まれていないこともあり、どの球団も不合格。

しかし、最後に受けたオリックス・ブルーウェーブで「バッティングピッチャー (打撃投手)の枠が空いている」という誘いを受け、
それ以降はバッティングピッチャーとして、裏方でプロ野球を支えた。

そこで身近に感じた一流選手(イチロー・マー君)のマインド、習慣や
少年野球チームの指導経験をもとに、
年間160件の講演を行っている。

ちなみにバッティングピッチャーの年収は600万円ほど。
人気球団ともなれば年収は1000万円にも及ぶらしい。さすが、人気スポーツ。

■ イチローが二軍に落とされた話

イチローはバットを握る際に、グリップエンドに小指をひっかける(下図参照)のだが、
これが原因で打撃コーチと確執を持ったことがある。

コーチ曰く 「デッドボール時に小指を怪我する恐れがあるからやめなさい」

イチロー曰く「(私は)こんなところにデッドボールをあてられるようなどんくさいバッターではありません」

この態度が生意気と判断され、イチローは二軍に落とされてしまうのだが、
この時にイチローは泣きながら

「この持ち方には理由がある。自分は体格に恵まれている方ではないから、そこをカバーして、より力強いバッティングを行うために
 グリップエンド側を握っている。
 それなのに、コーチ陣はこちらの意見を全く聞こうともせず、頭ごなしに”その握り方をやめなさい”と否定する。それが悔しい」

と言っていたらしい。

※ この部分は特に、私(三好)の聞き違いである可能性も大きいので雰囲気だけ感じ取ってもらえればありがたいです

■ 仰木監督

仰木監督が就任する前とその後で大きくチームの雰囲気が変わったらしい。

仰木監督 就任前 は、
「プロ野球選手は、野球をしているときだけでなく、常に見られていることを意識せよ」
という教えの下、

 ・移動時はお揃いのスーツ
 ・移動時に雑誌など読んではならない
 ・移動時にウォークマンを聞くことも禁止
 ・門限がある(試合終了後、数時間後までに宿舎に戻らなければならない)

という、言わば”締め付け型”の方針でチームをまとめようとしていた。

しかし、仰木監督 就任後は
「グラウンドで結果を出せば何も言わない」
という方針に変わる。
お揃いのスーツも、門限も撤廃。

余談だが、

門限が撤廃されたことを喜び、当時はまだ現役選手であった
パンチ佐藤がはっちゃけて、深夜二時まで飲んで宿舎に帰ると、
その入り口になんと仰木監督が立っているではないか。

「これはまずい。。。」と言い訳を考えながら宿舎に入ると

監督は
「おはよう!俺も今飲んで帰ってきたところだ。
今日の試合(深夜12時を既に回っているから”明日の試合”ではない笑)も頑張ってな」
と言って部屋に戻っていったようだ。

そして、その日の朝グラウンドに一番早く到着したのは他でもない仰木監督。

この日に限らず、監督は誰よりも早くに着て、
毎日ランニングを行い、その日の試合に集中するための準備を誰よりも意識した行動をとっていた。

そして、ある年の2月1日、仰木監督とイチローが初めて出会う。

イチローがバッティング練習を終えた後、に仰木監督は
「この一年、何があっても君を一番バッターとしてつかうから」
と言った。

それからのイチローの活躍は言わずもがな。

~長くなるので、続きはまた次回~

=====
今日の学び

 野球というスポーツに打ち込むことで、
 野球というスポーツを超越した概念、
 つまり原理原則を得ることができる。
 
 一流のスポーツ選手が、引退後に一流のビジネスマンとなるのも、
 この普遍的要素を体得しているからだろう。

 私(三好)は組込みエンジニアとして働いているが、
 今回の野球の話の様に、 異業種の方の話を聞き、
 自身に適応できる部分を見つけた時に”不変の真理”を垣間見たように感じ、
 大きな刺激(喜び)を受ける。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存