早速ですが問題です。
Q.次の2種類のうち、どちらかひとつを選ばなくてはなりません。
あなたは、どちらを選びますか。
A:8万円を確実にもらう
B:賭けを実行する。その場合、85%の確率で10万円もらえるが、
15%の確率で何ももらえない可能性もある。
統計的に考えると
上記の問題で、模範的回答は「Bを選ぶ」でしょう。
選択A,Bそれぞれの期待値は
A: 8万円×100% = 8万円
B: 10万円×85% = 8.5万円
となり、Bの方が0.5万円分お得になるからです。
でも、ボクはAを選びます。
この問題が何回も繰り返されるとしたら(現実にそんなうまい話はないけど)、
なおさらAを選びます。
それはなぜか。
サルを完全に破壊する実験があるらしいよ
話変わって、下記の文章見たことありますか?(結構有名っぽいから読んだことある人多いかも)
『サルを完全に破壊する実験って知ってる?
まず、ボタンを押すと必ず餌が出てくる箱をつくる。
それに気がついたサルは、ボタンを押して餌を出すようになる。
食べたい分だけ餌を出したら、その箱には興味を無くす。
腹が減ったらまた箱のところに戻ってくる。
ボタンを押してもその箱から餌が全く出なくなると、サルはその箱に興味をなくす。
ところが、ボタンを押して餌が出たり出なかったりするように設定すると、
サルは一生懸命そのボタンを押すようになる。
餌が出る確率をだんだん落としていく。
ボタンを押し続けるよりも他の場所に行って
餌を探したほうが効率が良いぐらいに餌が出る確率を落としても、
サルは一生懸命ボタンを押し続けるそうだ。
そして、餌が出る確率を調整することで、
サルに狂ったように一日中ボタンを押し続けさせることも可能だそうだ。』
この文章はかつて某巨大掲示板ではやったコピペです。
ピンときた方も多いかと思いますが、パチンコやスロットにハマった人間を揶揄しています。
いくらプレイしてもあたりが出る確率が0%なら、サクッと見切りをつけてやめることができるのですが、
忘れたころに大当たりするものだから、中毒になってしまう、ってやつです。
このサルの実験が本当に行われたのかはわかりませんが、
ラットやハトを用いた同様の実験としてアメリカの心理学者スキナーによるオペラント条件づけがあります。
レバーを押したら餌がもらえるという実験なのですが、
この場合もやはり、100%餌がもらえるときよりも、もらえたりもらえなかったりと不確定要素がある方が
「レバーを押す」という動作をなかなかやめることができなくなります(消去抵抗が大きい)。
期待値だけでなく精神的負担を考慮する
冒頭の問題に戻ります。
A:8万円を確実にもらう
B:賭けを実行する。その場合、85%の確率で10万円もらえるが、
15%の確率で何ももらえない可能性もある。
という問題に対してAを選ぶ理由は、消去抵抗が小さいから。
つまり、すぐに諦めがつくから。頭を切り替えることができるから。
こちらのほうが心理的負担が小さいと思うんです。
このゲームが繰り返し実施されるとして、Bを選択すると15%は何ももらえないのですが、
このもらえない事象が連続すると
「あれ?本当に15%なのかな?次もらえるのはいつなんだろう?」
「ゲームマスターに弄ばれているんじゃないか」
などと不安を感じ、ストレスいっぱいの状態になるでしょう。
このことが気になって気になって仕事が手につかなくなるかもしれません。
その点、Aを選択しておけば、もらえなくなった時点でゲームマスター側に
「あれれぇ?100%もらえるはずなのに何ももらえないってどういうことですか?(おいこらテメェ話ちがうじゃねーか!)」
と尋ねるもよし、ボーナスは終了したんだと見切りをつけて、サクッと次の行動に移るもよし、です。
邪推する必要もないし、Aの方が精神的に健全。
期待値だけでなく、自身にふりかかる精神的負荷も考慮にいれるべき。
ルナシーのロージア並に心が揺れ動く自覚がある(メンタル弱い)ボクはこう考えるのですが、
貴方はどちらを選ぶでしょうか。
余談
今回の投稿を書きながら、
以前、とある金融系のセミナーを受講したら内容がまんま
チャールズ・エリスの敗者のゲームの受け売りだったことを思い出しました。
セミナーの価値はおいといて、敗者のゲームは名著です。
本を読んでいる分には客観的な判断ができたとしても、
実際自分のお金がかかってくるときっと判断ブレブレになっちゃうんじゃないかしら。
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編集後記
未だ湘南国際マラソンの疲れが癒えず、、内ももが痛いんす。
筋肉痛体質ですorz