【214】自分力を育てる (5)

「自分力を育てる」という奥村浩治氏の講演を聞き、
その内容を下記の投稿にまとめた。

自分力を育てる (1)
自分力を育てる (2)
自分力を育てる (3)
自分力を育てる (4)

内容をざっとまとめ終わったところで、
自分の気づきを述べたいと思う。

■ 塞翁が馬

奥村氏はプロ野球選手を目指して入団テストを受け続けたが
体格に恵まれていないこともあり、テスト不合格が続く。
結局は打撃投手となった。

そこに至る過程で、
ある採用担当から「左投げだったらとってやったのに」(つまり、現実的に不可能)と
いう屈辱的な言葉を投げつけられたこともあった。

しかし、イチローの打撃投手となった縁を活かし
今は「イチローの哲学」などを上梓され、講演も好評である。

これは、まさに塞翁が馬の一例であり、思い通りにならない状況でも
ひたむきに続けることで、思ってもいないところに自分を助ける道が開けることを示している。

この一例を自分自身の環境に当てはめれば
何か一つ、これをやる!というものを決め継続することが重要だ。

■相手を信頼し、任せる 仰木監督スタイル

日経ビジネスで連載された「対話で探るドラッカー経営学の本質」の中に、
「管理職の仕事を勘違いしていませんか」というコラムがある
(この連載、”悩みを抱えたマネージャと、マネジメントに詳しい老教授との対話”という形式で書かれており、親近感が湧くし非常に分かりやすい。ぜひ皆様に読んでいただきたい!)。

このコラム中で、マネージャは
”社員が自分の頭で考え、実行する状況をつくるために
意思決定プロセスや情報システムの仕組みを強化してはどうか”
と提案する。

これに対して、老教授は
 ”現在の状況を顧みずに管理を強めれば逆効果となるリスクがある”
と警笛を鳴らす。

この詳細はコラムを読んでもらうことにして、
自分の話に戻すと、
ドラッカーを学ぶ前までは

マネジメント=管理

であると思い込んでいた(だって、マネージャーって日本語で管理職って訳すから)。

が、

実際にはマネジメントという上位概念の中に、”管理”という要素が存在するという解釈らしい。

闇雲に管理することが良いチーム作りにつながるというわけではないのだ。

自分力を育てる(1)の後半に書いたが、仰木監督の着任前は

 ・移動時はお揃いのスーツ
 ・移動時に雑誌など読んではならない
 ・移動時にウォークマンを聞くことも禁止
 ・門限がある(試合終了後、数時間後までに宿舎に戻らなければならない)

などの規則で縛る(管理する)方針だったが

仰木監督着任後はそれが良きに計らえスタイルに変わる。

そして、チームは6年連続Aクラスを達成するという成果を残す。

選手の自主性を重んじ、選手を信頼する ことで成果をあげる
まさに「マネージャー」である。

ここで、自分自身がどうするか、に焦点をあてる。
特に、自分が管理職でもない一般社員である場合、何をできるだろうか。

上司が部下の強みに着目し、伸ばそうとしてくれる場合はそこを頼る手があるが、
世の中、そんな素敵上司ばかりである訳はない。

上司が褒めて伸ばすことを意識してくれない今、
上司が変わってくれることを祈る前に自分自身が「主体的に行動する」しかない。

犬に例えよう。あなたは犬だ。

飼い主にボールの一つでも投げて貰い、それを取ってくることで褒めてもらいたい。
ワフワフ、しっぽフリフリ状態。

しかし、なかなか飼い主はボールを投げてくれない。
ここであなたは「なんでコイツボールなげねぇんだよ!(怒)」と吐き捨て、バターを舐めに行くというような行動をとってはならない。

とるべき行動は

「自分でボールを投げて(転がして?)、自分でそのボールを取りに行く」

だ。

そして「私、ボールとってきたんですよ(ハァハァ) ほめてくだしゃい」とでも訴えれば、
飼い主も「ぉ、ぉぅ、、」と応じるしかないだろう。

自分自身で、自分が褒められる材料を作るのだ。

ということで、実際のアクションプラン(自らボールを投げる)としては
朝メール、夜メールを勝手に送り付けみてはどうだろうか。

この朝メール、夜メールとは
小室淑恵氏の「6時に帰るチーム術」という書籍中に紹介されているもので、

15分刻みで立てた業務予定を、上司およびチームメンバにメールし、情報共有するというものである(朝メール)。
そして、夜メールでは、その日の実績(予定通り終えることができたか、できなかった場合はなぜできなかったかなどを記載する)メールを送信する。

これにより、予定をたててそれを達成できたという褒め材料を上司に与えることになる。
さすがに上司も褒めてくれるだろう(たぶん)。

チームワークが足りない、
上司がマネジメントしてくれない、
という不満を垂れ流す前に、自分自身が状況を好転させるための種をまこう。

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今日の学び

 塞翁が馬:愚直に信念を以て行動すること
 
 主体性:文句を言う前に、状況好転する種まきをする。
      本を読んで良いと思うことがあれば、それを「やる」

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