あんたの言う「成長」ってなんなのさ?って話

tekira

テキーラも成長する??

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いきなり私自身の話ですが、自己啓発セミナー受けたり、ビジネス書やノウハウ書読んだり、そういう成長しよう系のコンテンツが好きで割とハマりやすいタイプだと思ってます。

が、最近は「成長」という言葉を聞くたびになにか、違和感というか、気持ち悪いなーと感じるようになってきました

(「成長」という言葉に違和感を覚えたのは2009年からだけど、最近その違和感が大きく、かつ明確な感情となってきた感じです)。

その違和感について今の考えをグダグダ書き残して置きます。

「成長」の定義は何か?

FacebookなどSNS見ていると、セミナー広告が目に飛び込んできます。

そのセミナー告知で「成長するためには!?」みたいな表現が使われていたりするのですが、

そもそも「成長」の定義ってなんなんでしょうか?

  • 以前できなかった動作がができるようになること?
  • 身長・体重が大きくなること?
  • たくさん難しい言葉を知っていること?
  • 精神的にタフになること?ポジティブ思考になること?

ここが明確にされないまま「みんな成長したいよね!」「成長しましょう!」なんて言われても困ってしまいます。

「成長」自体が目的なのか?

「成長」を言い換えれば「良い変化」ということになるでしょうか?

この場合「良い変化」の「良い」ってなによ?という疑問が浮かんできます。

例えば、長距離走をやる人なら走力キープしながら体重を減らすことが「成長」かもしれないし、

お相撲さんなら体重を増やすことが「成長」かもしれない。

個人アスリートが身体操作方法を極めて大会で優勝できればそれは「成長」に見える。

ただし、そのアスリートがトレーナー(指導者)という立場になれば、なんでみんなこの動きができないのか?という”生徒がなぜできないか理解できない”状態を生み、

指導に支障をきたすかもしれない。優れた身体操作が見について自然にできるほど、できない人の気持がわからなくなるだろう。

競技者と指導者という立場が変わることによってこれまでの「成長」が「退化」にもなりうる。

以上のように立場・考え方に寄って「良い・悪い」の判断基準が変わるのだから

ただ単に「成長しましょう!」と言われても、なんとなく良さそうな響きに聞こえるだけで結局どこかにフワフワした感覚が残る気がします。

そして何より「成長しなければならない!」という風に思い込むことで

「成長していない自分」(これも勝手に自分で”成長していない”と定義しているだけだけど)を

見つけてしまった時に、勝手にダメージを精神的に凹んだりしちゃうんじゃないかと。これって危険です。

とくに「人から植え付けられた”成長”を自分が達成できない場合に受けるダメージ」は半端ないかと。

自己肯定感が著しく下がったり。自己嫌悪に陥ったりね。

先にやりたいことがあって、それに取り組んでいるうちに何か変化が起きた。それを良い変化だと解釈するのはいいんです。

例えばバスケでダンクしたい!と強烈に思いトレーニングしまくって、これまで届かなかったリングに手が届くようになった。これは成長だ!と思うのは良い(ここでの「良い」とは、個人的に納得できるという意味にしか過ぎません)。

逆に、「成長しなければ!」という気持ちが先にあって、そのアプリケーション(成長を感じるための事象)を無理やり探して「ダンクする」を選んでしまったなら。。「成長するために」トレーニングして・・・ となってしまって、、、多分、自分で自分の機嫌を損ねることになる。

グダグダ書いたけど、「成長」は後からついてくるもので先に立つものではないでしょ?ということで。

「変化」ならスッキリする

「成長」という言葉を「変化・変容」に単純に置き換えれば、これまで述べた疑問はスッキリします。

「今までと何か違うものになる」という風に明確に定義されるから。

何か変わった、という事実があるだけで、その変化に対する「良い/悪い」などの判断が切り離されるから、です。

「成長」を「変化+ 良いという判断」というように言葉を変えることで、

事象と判断とを切り分ける瞬間がすこしでもあれば「これは誰がきめた判断基準だろ?」と考える余白が生まれるので落ち着いて考えれます。

「オプション化」すること

個人的には「変化」を経験していろいろなものをオプション化できれば良いな、楽しいな、と感じてます。

例えば糖質制限と脂質制限両方経験して、知識も得れば

Aという状況なら糖質制限するし、Bという状況なら脂質制限する。状況によって選択を変えるよ

となれれば好ましいと思ってます。

「健康のためには糖質制限!!」と盲目的に信じている状況より、選択可能(オプション化できている)方が

抽象度高いし、応用もききます。

まとめ

「成長」という言葉を聞いたときはその文脈における定義をしっかり把握しましょう。

自分が使うときも「成長」という言葉の定義をしっかり把握しておきましょう。

あなたの使う「成長」という言葉の意味はなんですか?

そして周りの人もその「成長」の意味に沿って変化しなければなりませんか?

なんとなく良さそうに聞こえる言葉、納得感のある言葉ほど危険な罠が潜んでいるかも、です。

そもそも成長しなきゃいけないんだっけ?なんて考えてみても良いでしょう。

ちなみにもし私が「成長」という言葉を使うなら、その意味は「抽象度を高めている(いろいろな事象をオプション化できるようにしている)」ということで。

AができるようになってもBができなくなってしまったら、それを手放しで成長と喜ぶことはしたくありません。

Bができなくなっていることに気づくことが結構難しいとは思いますが。

※AとBという選択肢があって、Bができなるなることは分かってるけどあえてAを選ぶ、というのは全然OKです。

ここで取り上げているのは「いつの間にかできなくなっているBがある」ことにずーっと気づけない、という状態のこと。

おわり。

あ、冒頭の写真のテキーラは、同じ銘柄だけど

左がBRANCO(ブランコ;若い)、右がANEJO(アネホ;熟成)。

ANEJOの方がばっちり「成長」してました。

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